フォーカスの前身は……走りのよさで定評があったエスコート。ラリーやレースで実証した走りのDNAは、98年登場のフォーカスにもきちんと受け継がれ、欧州を中心とするCセグメント市場で大成功を収めた。日本市場にも導入され、通好みのモデルとして高く評価されていたから、ご存じの方も多いと思う。
だが、残念ながら日本への輸入は、2代目の半ばで途切れることに。日本市場における戦略の変更が理由で、一時のフォード車はアメリカ製を中心としたラインアップとなった。
ところが、先代クーガを欧州から導入したあたりから、またも流れは変わる。よりグローバルな視点から、魅力あるモデルを取りそろえる戦略に変わったのだ。フォーカスの復活は、それを象徴する出来事だ。
では、11年に欧米でリリースされた3代目は、果たしてどんなモデルなのか?かつては欧州フォードの大黒柱のイメージだったが、今のフォーカスは「ONE Ford」の戦略の基で、Cセグメントのグローバル戦略車として開発されている。
なんと、2012年の1から9月期のデータでは、単一車種として世界一の販売台数を記録したという。そうした実績を引っさげて、新型フォーカスは日本に登場したわけだ。
日本向けモデルの生産を担当するのはタイ工場で、「なんだ欧州製じゃないのか」と落胆するファンもいるかも!?しかし、FTM(フォード・タイランド・マニュファクチュアリング)は12年6月に開設した最新鋭の工場。高度な生産設備を備え、欧米の工場を凌ぐほどの品質を誇ると言うから、信頼性は十分に高い。
ボディタイプは5ドアハッチバックで、グレードはエアロパーツや17インチタイヤなどを標準装備する「スポーツ」となる。気になる心臓は、直噴採用の2Lと6速パワーシフト(デュアルクラッチトランスミッション)のコンビで、日本のニーズを考え抜いての選択としている。
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