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伝統と陶芸の町、笠間を訪ねる |
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ふと自由な時間ができた1日、家でただ何気なく過ごして夜になって後悔したくない
そして、過ごすなら充実した時間……たまにはドライブに出かけるか! でも、どこへ?
なんだか、どこに行くか考えるのも長い時間運転するのも面倒くさいなあ……
そんな疲れ気味の現代人に贈る処方箋、それがこのGooWORLD KANTO!
関東にあるドライブスポットを毎回ゆったりめの視点で紹介して行きます |
文●鈴木祥浩 撮影●深堀えみ |
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GUEST NAVIGATOR
ロペス貴子さん
●格闘技イベントHERO'Sの2007年ラウンドガール、GT選手権のレースクイーンとして活躍するロペス貴子(たかこ)さん。「日本酒にすごく興味をもちました!」と興奮気味の彼女は、その後に挑戦した陶芸では一転、精神を集中してろくろを回してくれた。「やっぱり陶芸って難しいなぁ……」と囁くスタッフの声にも「わたし、センスあるみたいです!」と笑顔で応えていた。 |
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ROUTE
都心をスタートした一行は常磐自動車道、北関東自動車道を経由し、3時間半ほどで笠間に到着する。笠間稲荷神社の周辺を除いては、本当に静かな街並みの笠間。地元の銘酒「稲里」をつくり150年の歴史を誇る磯蔵酒造といい、伝統の笠間焼を守る奥田製陶所といい、笠間はじっくりと物をつくるのに適した土地柄と言えるようだ。 |
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伝統の酒蔵で育まれる
時代を超えたうまい酒 |
スタッフのひとりが「最近、日本酒が好きになって……」と語りだしたのをきっかけに、「それじゃあ、お酒をつくっている所を見て来よう!」ということで今回のドライブはスタートした。
近年、ワインブームと平行して日本酒も人気を集め、豊富な銘柄を扱う居酒屋や酒屋も増えている。それと同時に「こだわり」を謳う銘柄も数多い。
今回訪ねるのは長い歴史を持つ酒蔵「磯蔵酒造(いそくらしゅぞう)」。じつに5代目の蔵主(くらぬし)となる磯貴太(いそ・たかひろ)さんが、普段なかなか見ることのできない醸造所・酒蔵の内部を案内してくださった。
蔵に入ったスタッフ一同は、長い歴史を経てなおも現役の醸造施設に漂う独特の雰囲気にまず圧倒される。今回のドライブに同行してくれたロペス貴子(たかこ)さんも「こんな素敵な場所で、お酒がつくられているなんて……さぞかし美味しいんでしょうね」と嬉々として酒蔵を見学していた。
蔵主の磯さんは「米の味と香りのする酒を」をモットーに日本酒らしい日本酒づくりを目指している。ここではつくり手が酒づくりの原点をつねに意識するため、可能な限り機械に頼らない製法が採用されている。今も昔とほとんど変わらない「米は手で洗い、和釜で蒸し、手で運び……」といった作業が丁寧に行われているのだ。
磯蔵酒造がつくるお酒は、代表銘柄「稲里」をはじめ、そのほとんどが茨城県内で消費されている。地元での人気が高く、広く出回ることが少ないのは少々残念。
ドライバー以外で試飲をさせてもらったスタッフは、「美味しい!」と競うようにお土産を買い求めた。それを横目で見て、まだ17才で試飲も許されなかった貴子さんは「羨ましい〜!」と真剣に悔しがっていた。しかし「自分の国のお酒がこんな風につくられているのを知って、少しだけ誇らしい気になりました!」と話す彼女は、「成人の日のお祝いは日本酒で」と心に決めたようだ。
美味しい酒がつくられる限り、日本酒人気はこれからも安泰だ。 |
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●大きなタンクがそびえる醸造蔵は、迫力のある落ち着いた空気を漂わせている。ここで「うまい酒」が誕生するのだ。 |
●磯さんは、熱い情熱と強い信念で酒づくりに取り組んでいる。 |
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●質の高い天然水「石透水」のみで仕込まれる磯蔵酒造の酒。蔵の中には大きく深い井戸が掘られている。 |
●「蒸し」に使われる巨大な和釜。この上に水分を含んだ米の入った蒸籠(せいろ)を載せ、乾燥蒸気で蒸す。 |
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●庶民はもとより歴代の藩主からも熱心に信仰されてきた笠間稲荷。毎年、初詣におよそ50万人、年間では350万人が参拝に訪れる関東有数の神社ではあるが、普段訪れてみると、落ち着いた心地よい静寂に出会える。 |
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磯蔵酒造 |
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江戸末期に酒造りをはじめる。周辺の山々から湧き出る良質の地下水と品質の高い米を原料に、昔ながらの製法にこだわった酒造りを行う。前日までに予約をすると、酒蔵の見学ができる! |
ADDRESS |
茨城県笠間市稲田2281-1
TEL 0296-74-2002 |
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笠間稲荷神社 |
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日本三大稲荷のひとつで、年間350万人の参拝客を誇る。661年に創建されたとされ、江戸時代には歴代の笠間藩主から熱心な信仰をあつめた。地元だけでなく、遠方からの参拝客も多い。 |
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バックナンバー |
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