| FOR ALL FAMILY RENAULT GRAND SENIC,FIRST IMPRESSION FROM FRANCE |
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“グランセニック”は粘り腰の足まわりと優れたユーティリティが自慢 | ルノー・ジャポンのプレス向けメーリングサービスで、「フランス出張の折りには、ぜひともグランセニックにお乗り下さい」という便りが届いたのが6月初旬。なんと運のいいことだろうか。6月中旬にル・マン24時間レースの取材を予定していた私は、すぐさまこのありがたいメールに甘えることを決断し、クルマを借用させてもらうことにした。 グランセニックは2003年のフランクフルトショーでデビュー、今年の秋ごろ日本への輸入も始まるモデルだ。セニックのホイールベースを延長し、3列7名乗車を可能としており、今の日本のミニバンブームにはもってこいのコンセプトを持つ。 パリからル・マンまでの往復、さらに取材の足として1週間に渡って試乗、その間に行なった2度の給油は警告灯が点いてからという長期、長距離のインプレッションとなった。 おもに乗ったのは2L自然吸気の4速AT。知人は2Lターボの6速MTを借用していた。136馬力というパワーはこの手のクルマとしてはごく普通のレベルだが、低速からしっかりとしたトルクがあり乗りやすい。高速道路の流入時にフルスロットルを与え、130km/hの制限速度に達するまで一気に加速したが、加速感はよどみなく気持ちのいいもの。 ちなみに100km/h時のエンジン回転数は2600回転程度(200回転刻みのデジタル表示のため正確さには欠ける)。少しばかり気になったのは、ATの変速時におきるショック。しかしこれも馴れれば、アクセルペダルの操作を覚え、身体が自然に反応して解消できるタイプのもの。 移動は仲間2名といっしょの3名乗車。しかも、全員が海外取材1週間分の荷物+撮影機材を持つ。その総重量は100kgオーバー確実。つまり5名乗車で乗っているようなものなのだが、力不足を感じるような場面は皆無に等しかった。 足まわりは比較的長めのストロークを持ちつつも、しっかりとロードホールディングするタイプ。ロールなどはそれほど感じないが、この長いストロークを持つのにはどうやら意味があるようだ。 フランスの郊外で街と街を結ぶ道路は、センターラインもガードレールもないようなところが多い。そうした道で、だれもかれもがスッ飛んで走っている。ここでクルマがすれ違うときに求められるテクニックは、斜めになった路肩に片輪を落としながら走ること。このワザを可能にしてくれるのが、長いストロークを持つサスというわけだ。レースのときは多くのスポーツカーがル・マンの街に集まるが、いかにハイパワースポーツといえども、郊外路のすれ違いでは、こっちのほうが数段速い。 粘り腰の足まわりと適度なパワフルさは、日本の道路事情にもなかなかマッチしそう。日本仕様をどこまで煮詰めるかに興味津々である。 |
| | ●165馬力のターボにも試乗したが、フィーリングには大きな差はなかった。写真は自然吸気。 |
| | ●ATはマニュアルモードも備えるタイプ。6速MTはちょっとストロークが長めだが、扱いやすさは問題なし。 |
ユーティリティの“使える度”はさすが ●フロントシートは優しいデザインだがホールド性はなかなか高い。セカンドシートは3名分が独立して設定される。サードシートはエマージェンシー的存在で、未使用時はラゲッジルーム下にスッキリと収まり邪魔にならないなど、ユーティリティの充実度はなかなかのもの。スペースアップはタンブル方式で行う。 |
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| 諸星陽一 | ●乗って書くのが職業だが、なぜかレースの撮影も行う。また、ベイFMの朝の番組でコメンテーターも務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員。 |
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