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HIGH AND FREE GOING ON THE HIGHWAY IN THE UNITED STATES OF FREEDOM |
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アメリカのハイウェイで料金所ハケーン! |
「アメリカはいいよなあ、ハイウェイは無料だし、やっぱりクルマ社会はアメリカが先進国だよなあ……」。なんて思っている人は多い。それだけに、じつはアメリカにも有料の高速道路があると聞くと、けっこう驚く。というか、長年北米に住んでいて、今回実際にその有料道路を走った僕がいちばん驚いたんじゃないだろうか? いつもカード払いなので現金も用意してなく、いきなり現れた料金所ではかなりアタフタしてしまった(結局、トランクのなかに前回北米に行ったときのドルが小額残っていてことなきを得た)。いやー、料金所のおじさんの視線の冷たいことといったら……。
さて、そんな驚きの有料道路があるのは、イリノイ州シカゴの街の外側を走る高速道路。東京でいうと、ちょうど外環自動車道に近い感じ。シカゴの中心は94号が通っているのだが、ここは渋滞の名所で、その渋滞を避けるようにと郊外を迂回する有料高速道路が建設されたのだ。料金所は大体2〜6マイル(約3〜10キロ)ごとに現れ、通行料金は乗用車の場合はキャッシュで80セント(約88円)だ。
今回、シカゴのオハレ空港からインディアナポリスへ移動するとき、イリノイ州を抜けるまでに、片道で4度料金所を通過した。日本の首都高速に比べれば安いが、無料が当たり前のアメリカにおいては、けっこう驚く値段である。
料金徴収システムはイタリアやフランスでも一般的になっている「iPass」と呼ばれるシステムを採用している。これは、ステッカー状のシールにICチップを組み込み、車両が専用レーンを通ると自動的に料金が徴収されるというもの。ETCと似たシステムだが、こちらは仰々しい機械もなく、高速道路の通行料金徴収に特化しているのでシステムも簡易かつ安価で済む。日本のETCはクレジットカード機能やら、今後、駐車場やドライブスルーでの決済も視野にいれたので、でかいし使いづらい。
ちなみに料金所のレーンは約15〜20レーンくらいあり、そのうち8〜10レーンくらいがiPass専用、4〜6レーンくらいが無人の料金徴収タイプ(自分でお金を投げ込んだり、カードで支払う)、そして残りが係員がいるアナログスタイルである。
有料化したことで、非常に充実しているのが日本で言うサービスエリア。この有料道路では、徴収した料金でキレイなサービスエリアを作り、さらにそこに有名なファーストフード店舗などをテナントとして入れているので、きちんと家賃収入も生んでいる。たとえ公共の施設であっても、どこかの国のように赤字の垂れ流しなどは一切考えない。料金を徴収している以上、サービスを徹底しているのだ。 道幅も広く、道路の整備もしっかりされている。まったくもってどこかの国も、アメリカを見習うなら、こうした部分をしっかり見習ってほしい。 |
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(1)ゲートには料金が表示されていて、キャッシュで80セント。おつりも用意されていて、ほとんどの人が1ドル札を準備していて払っている。じつは意外とiPassは普及していて、係員がいる料金所を利用する人は多くない。(2)今回借りたのはシボレーマリブ。V6だがトルクがあり乗りやすい。ただし、アメリカ車は同じカテゴリーに自社内で似たクルマが多いので、それが最近の販売不振のひとつでもある。(3)道幅が広く車線も多いが標識は非常に見やすいので、道に迷うことは少ない。(4)インディアナ州に入ると、突然のどかな田舎高速道路になる。この日は横目に嵐のような黒い雲を見ながら走っていた。(5)アメリカではスピード違反への対応は厳しいので要注意。ヘリコプターで監視されていて、突然ハイウェイパトロールに捕まることもしばしばだ。(6)アメリカのデニーズは高速の出入口に多く展開している。(7)これが朝食のサラダ……おいおい、朝からこんなに……。 |
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田口浩次 |
●コラムニスト。自動車雑誌、そのほか多くの雑誌に寄稿するが、F1シーズン中は世界中を駆けめぐる忙しい毎日となる。 |
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