|
FINAL TIME ついに最後の時を迎えるスマートの異端児 |
|
文●森口将之 (問)スマート・コール TEL:0120-656-256 |
ついに最後の時を迎えるスマートの異端児 |
|
※写真は本国仕様です。 |
スマートがピンチだ。ダイムラー・クライスラーのリストラ策の一環として、業績が伸び悩んでいたこのブランドは、スポーツカーのロードスター(ロードスタークーペを含む)と、三菱自動車と共同開発・生産するフォーフォーの生産中止を発表。デビューが予定されていたSUVの開発もストップした。
ダイムラー・クライスラーによれば、都市部の自動車の平均乗車率は1.2人。だったら2シーターにして全長を短くすれば、渋滞や駐車場不足を解消し、地球環境問題に歯止めをかけられるはず。こうして1998年に生まれたのがスマートの第1弾、フォーツーだった。
コンセプトだけ見ると、理想のシティカーに思える。でも彼らは大事なことを忘れていた。
ひとはいつも、イザというときを考える。1〜2人しか乗らず、荷物もほとんど積まないのに、4〜5人乗りのコンパクトカーを買う。高いお金を払うからこそ、多くの機能を求めたくなるからだ。スマートを持つには、こういう機能を捨てなければならない。それなら税金を安くするとか、専用駐車場を用意するとかのメリットがほしい。しかしそれは、ドイツ以外ではほとんど実現しなかった。
当然だ。ひとつのメーカーが行動を起こしても、クルマ社会は変えられない。ひとつの家が町全体のルールを決めるようなものだから、ほかのメーカーが同調しないのは当然だろう。本気で変えたいなら、国が先頭に立ってルールを作るのがスジだ。
スマートの販売は当初からイマイチ。そこでダイムラー・クライスラーは、プリミティブなシティカーからプレミアムなセカンドカーへと、クルマの位置づけを変えた。こうすれば機能が限定されることや、インフラのメリットが少ないことも気にならない。それでも状況を変えることはできなかった。
でもこの過程で、スマートはすばらしいプレゼントを僕たちにくれた。それがロードスターだ。
ボディは長さ3430mm、幅1615mm、高さ1205mmしかなく、ウエイトはわずか830〜850kg。現在の状況では実現が難しいといわれたライトウエイトスポーツを、いとも簡単にモノにしてしまった。思いきり低いヒップポイント、リヤエンジンならではの小気味よい加速、路面に張りついているようなハンドリングもまた、忘れかけていたピュアスポーツの世界そのものだ。
シティカーというコンセプトにしばられず、逆に小型軽量というメリットを生かして、スポーツカーを造り上げたスマート。地球環境を真剣に考えつつも、走る楽しさはゼッタイに忘れない。そんなうれしいメッセージを僕たちに伝えてくれたロードスターは、この春ファイナルカウントダウンが始まった。最後の30台が、桜前線とともに日本に上陸している。新車で手にするなら、今しかない。 |
|
|
●ロードスターは電動開閉キャンバストップに独立したトランクを持つ。クーペは2分割の脱着式ルーフやガラスハッチが特徴。 |
|
|
●ポップなデザインは他のスマートと同じイメージ。ドライバーの前に大径の速度計と小径の回転計を並べる。日本仕様は右ハンドル。 |
|
|
●キャビンを守るトリディオン・セーフティセルや、3気筒ターボエンジンをリヤに積むレイアウトはスマート・フォーツーから受け継がれた。 |
|
ついに最終限定モデル! |
ファイナルエディションは、ジャックブラックのロードスター23台、シャンパンリミックスのロードスタークーペ7台を用意。BRABUSブランドのステアリング/シフトノブ/パーキングブレーキハンドル/アルミペダル、ブースト/水温計、DVDナビ、ヒーター付きレザーシートなどの特別装備をプラスした。 |
|
スマート ロードスター リミテッド(左)、クーペ リミテッド(右) |
スマート ロードスター リミテッド
価格=273万9000円(限定23台)
|
スマート ロードスタークーペ リミテッド
価格=298万8000円(限定7台)
|
|
|
|
|
|
|
|
ブランドページ |
|
|
バックナンバー |
|
|