よりアグレッシブになったエアロパーツやアルミホイールの造形が示すように、サソリマークのプントは、“グランデ”から“EVO”への進化で一段とスポーティ度を高めた。しかも、たんなるフェイスリフトではなく、より進化しているのは中身。最大の注目点はズバリ、新しい心臓だ。
ボア72mm×ストローク84mmの1368ccという基本は不変だが、ヘッドはDOHC4バルブから、最新アルファ・ミトと同様のマルチエアに変更されている。マニアなら、吸気バルブの開閉時期とリフト量を自由に設定できる油圧式バルブ駆動メカ(マルチエア)の革新性を、すでにご存じなのでは!? インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの獲得が、実力の証明でもある。
気になるのは性能だが、パワーは155から163馬力、トルクは20.5(23.5)から23.5(25.5)kgm(カッコ内はスポーツスイッチ使用時)へとアップ。本領を発揮するのはやはりスポーツスイッチをONにしたときで、鋭いレスポンスと迫力のパワー感を味わわせてくれる。最高速213km/h、0→100km/h加速7.9秒の実力と言えば、ホットな性能を容易に想像できることだろう。
だが、感動はそこに止まらない。そう、マルチエア導入に合わせて、サスや電動パワステ、さらにはボディにも改良のメスが入れられたのだ。ゴツつきやロードノイズが減少し、乗り味がグッと上質になったことは、乗ればすぐにわかる改良点。加えて、本気の走りにおけるハンドリングの一体感や、フットワークのキレも向上している。こだわりのマニアだって満足する仕上がりぶりだ。
で、トドメは……高効率エンジンとスタート&ストップシステムがもたらしたエコ性能の進化。つまり、アバルト プントEVOは、今の時代にも胸を張って乗れるホットハッチということだ。
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