ルノーの新型車が出るたびに「R.S.バージョンは、どんな走りを見せてくれるのだろう……」と期待してしまう。たとえばメルセデスにはAMG、BMWにはMがあるように、ルノーにも高性能車の開発やモータースポーツを専門に行う子会社「ルノー・スポール」が存在する。そこが手がけたモデルたちは、ベース車とは一線を画する本格的な走りが楽しめるので、注目度もひと際大きいというわけだ。
さて、今回のルノー・スポールのベース車は、先日フルモデルチェンジされたばかりのルーテシア。エレガントなルックスはそのままながらも、リヤディフューザーやリヤスポイラーなど空力パーツが後付けされている。これらはただの飾りではなく、モータースポーツの経験に裏打ちされた、れっきとしたチューニングパーツのひとつである。
エンジンは先代の2L NAから1.6L直噴ターボに変更された。最高出力は先代とほぼ同程度の200馬力だが、最大トルクは24.5km/Lに大幅に増強。トランスミッションも、従来の6速MTに代わりEDCと呼ばれるデュアルクラッチ式へと一新。シフトレバーまたはチタン製パドルシフトで素早く変速できるので、よりコーナーリング操作に集中できるのが魅力。ステアリングのリムのセンター部分にオレンジの切り返しが入るのもオシャレだ。
また、今回よりストリート用の「シャシースポール」と、よりスパルタンな「シャシーカップ」の両方を選択することが可能。後者はシャシースポールよりもさらに3mm車高が低くなり、バネ定数とステアリングギヤ比を高めて応答性をアップしている。
ほかに注目なのは「R.S.デフ」の採用。後輪が、前輪(駆動輪)の回転と協調制御されるのでタイトな道でも鋭いコーナーリングを披露してくれる。走りの実力は、確実に先代以上。見た目も中身もホットな、本格スポーツモデルに仕上がっている。
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