車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.03 / 掲載日:2017.05.25

【気になる中古車試乗判定】ランドローバー レンジローバー イヴォーク

ランドローバー レンジローバー イヴォーク

2014年モデル ランドローバー レンジローバー イヴォーク

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、GooWORLD 写真●GooWORLD

今月の中古車は ランドローバー レンジローバー イヴォーク

  • ブラックレザーの室内はスポーティな雰囲気

    ランドローバー レンジローバー イヴォーク 内装

  • ブラックレザーの室内はスポーティな雰囲気

     レザーとアルミを上手に組み合わせたインテリアは、スポーティな雰囲気。ほどよくタイトな運転席からパーソナルカー的なキャラクターであることが伺える。その一方、5ドアモデルならリヤシートへのアクセスも良好かつスペースも十分に広いので、実用車としての実力も十分以上。

  • 未来感あふれるロータリー式シフトダイヤル

    ランドローバー レンジローバー イヴォーク 装備

  • 未来感あふれるロータリー式シフトダイヤル

     中央のモニターにはナビをはじめ、さまざまな機能が集約される。フロント2カ所、左右ドアミラー、リヤの計5カ所にあるカメラのリアルタイム映像も表示可能。また、エンジン始動時に自動でせり出す「ドライブセレクト・ロータリーシフター」もランドローバーならではの装備である。

  • 2L 4気筒ターボと9速ATの組み合わせ

    ランドローバー レンジローバー イヴォーク エンジン

  • 2L 4気筒ターボと9速ATの組み合わせ

     2Lの4気筒ターボというダウンサイジングエンジンを搭載。しかし、最高出力240馬力、最大トルク34.7kgmと十分なスペックを誇り、実際に乗ってみると数値以上の力強さ。とくに低回転域でのトルクが高く、非常に扱いやすい。トランスミッションは9速ATで、変速ショックもなく滑らかである。

  • スクエアな形状のラゲッジルーム

    ランドローバー レンジローバー イヴォーク ラゲッジルーム

  • スクエアな形状のラゲッジルーム

     出っ張りがなく、スクエアな形状のラゲッジルーム。ボディ全長が4355mmとコンパクトカー級なので、フル乗員時はミドルクラスSUVと比べると物足りなさを感じるかもしれない。しかし、リヤシートを倒せば文句なしのスペースが確保される。ファーストカーとしての役割も果たせるはず。

ランドローバー レンジローバー イヴォーク 試乗判定レビュー

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

  • 自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

  • 高級SUVの代名詞的存在であるレンジローバーから販売されたイヴォークは、スタイリッシュなデザインと比較的リーズナブルな価格によってヒットモデルになった。

老舗ブランドから登場のスタイリッシュSUV

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はオフロードビークルの老舗であるイギリス・ランドローバーの高級ブランドであるレンジローバーから、イヴォークが登場です。お借りした車両は個人所有で2014年モデル、グレードは「ピュア」、走行距離は7万kmです。

竹岡●前回はBMWのX3だったけど、新車を含めて本当にSUVは流行ってるね~。

編集部●老舗ブランドであるレンジローバーからこのようなスタイリッシュなモデルが登場したということでも、非常に話題になりました。

竹岡●そうそう。3ドアもあって、それもカッコいいよね。このクルマが出た後、影響を受けたようなデザインのクルマがいろいろと出てさ(笑)。

九島●2009年のデトロイトショーでランドローバーが「LRXコンセプト」という3ドアのクロスオーバーSUVのコンセプトカーを発表したんだけど、それが評判よくて市販化されたんだよね。

竹岡●市販モデルが発表されたのが2011年で、日本では同じ年の東京モーターショーで公開だったかな。前回のX3が比較的オーソドックスなタイプのSUVだったとすると、イヴォークはトレンドリーダーっていうイメージがあるかな。

九島●そうだね。いろいろなメーカーがSUVを作ったことで一周まわって自由度が高まるなかで生まれた、セカンドジェネレーション的な存在と言えるかもしれないね。

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

編集部●2012年モデルとして導入されたイヴォークですが、パワートレーンは前期モデルが2L直4ターボに6速ATという組み合わせで、グレードはエントリーモデルが「ピュア」、装備が充実した上級グレードが「プレステージ」というラインアップでした。その後、2013年11月の変更でトランスミッションが乗用車世界初の9速へと進化しました。今回試乗するのがこの世代ですね。

竹岡●今日のは9速になったやつなんだね。最近の話かと思ってたけど、もう出てから3年になるんだ!そのわりには、見た目が古くなった感じが全然しないのが凄い。

九島●デザインを手がけたのはランドローバーのジェリー・マクガバンだけど、間違いなくイヴォークは彼の代表作になるだろうね。最近追加されたコンバーチブルも非常にカッコいいよね。

編集部●たしかにイヴォークは長く販売されているわりにデザインに大きな変更を受けていないことも特徴です。2015年9月の変更でヘッドライトがフルLEDになって、バンパーもより迫力あるデザインになりました。また、グレード体系も一新されて「SE」、「SEプラス」、「HSE」、「HSEダイナミック」、「オートバイオグラフィ」となりました。標準モデルがSE系、上級グレードがHSE系、最上級がオートバイオグラフィといった具合で、価格は502万円~832万円です。

竹岡●レンジローバーのイメージからすると案外お買い得なのよね。

九島●たしかにそうだね。

編集部●それでは、そろそろ試乗の方をよろしくお願いします。


編集部●では、試乗から戻られたお二人に感想を伺いましょう。

竹岡●日本に最初に導入されたときに乗ったやつは発進時に飛び出し感があって気になったけど、今日のはいい意味で普通だった(笑)

九島●エンジンが重く感じたかな。走行距離7万kmだっけ、ここからまわるようにするのはちょっと大変かもね。でも、乗りにくいとかそういうのはないよ。シートとかも綺麗だったし、使い減りしてない。

竹岡●レンジローバーを名乗るだけあって見た目だけじゃなくて室内もいい感じだった。そういえば、出た当時に芸能人が結構買ってたね。でも、「ゴルフバッグが載らない!」って手放すひとも多かったね。

九島●ゴルフに3人、4人で行くのはやめたほうがいいよ。ウチは持ってるクルマ全部2ドアだけど、それで困ったことはないよ。

竹岡●私もずっと2ドアのクルマに乗ってたけど、5ドアに乗ってみると便利は便利なのよね(笑)。女性はとくに鞄とかサッと置きたいし。買う前に試してみて、自分にとってゴルフやユーティリティが大事っていうなら、ディスカバリーを買えばいいし、それでもデザインに惚れたっていうならイヴォークを選んでも後悔しないと思うよ。

九島●プライベート感をより大切にするなら3ドアっていうのもいい選択だと思うよ。何しろカッコいいし。イヴォークって中古車でもまだ結構高いんでしょ?だとするとまだまだ旬ってことだ。

竹岡●クルマって理詰めで買うより、本当にほしいと思えるものを選んだ方が大切にするし、多少高くても愛着が湧くと思うな。

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

ランドローバー レンジローバー イヴォーク レビュー評価

ランドローバー レンジローバー イヴォーク

  • ランドローバー レンジローバー イヴォーク

    240km/hまでスケールが刻まれた速度計とタコメーター。メタリックなパーツが用いられ、スポーティなデザイン。両メーターの中央には燃料計などのゲージが施される。

  • ランドローバー レンジローバー イヴォーク

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるランドローバー レンジローバー レビュー評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

次期プライベートカーの有力候補として数台のSUVが挙がっているだけに、今回の試乗もユーザー目線でしっかりとチェックしていただきました。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 10点

 唯一無二の存在としてデビューしたら、雨後の筍ようにライバルが現れて追いかけられ始めた・・・・・・というようなイメージがあるのですが、やはり「レンジローバー」という冠がつくだけのことはありまして、気品が違うんですよね。あの老舗のランドローバーが、ユーティリティよりもデザイン重視のモデルを送り出してきた、というのも衝撃的でした。

装備 9点

 ランドローバーではなくレンジローバーと冠をつけたことからもわかるように、小さくてもしっかりレンジローバー、質感が違うんです。インテリアも自分の好みでかなりのバリエーションが選べましたから、逆にユーズドカーは好みのものに巡り合えたら買い!かも。ただし、デザインコンシャスモデルなので、後部座席の広さなどは目をつむってネ!

走り 8点

 4×4専門メーカーのランドローバー。テレインレスポンスも装着されてますし、その走破力は道なき道を行ける!というレベルにあります。登場当初のモデルは飛び出し感があってやや乗りにくかったのですが、この頃にはもう年次変更で改良され、扱いやすくなってますからそこはご安心を。予想以上に普通に扱いやすいモデルですよ。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

自動車ジャーナリスト 九島 辰也

イヴォークのデザインを担当したジェリー・マクガバンにインタビューした経験もあるという九島さん。自分で乗るなら3ドアかコンバーチブルとのこと。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも、各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 10点

 世界中のブランドからSUVが販売されるようになったいまだからこそ誕生した個性派モデル。ランドローバー社は、このイヴォークを生み出す際に自分たちの歴史とアイデンティティを見つめ直すことで、従来にない斬新なコンセプトを実現させた。それは軽量化やダウンサイジングエンジンもそうだし、前輪駆動仕様(日本未導入)の投入もそうだ。

装備 10点

 レンジローバーを名乗るということは、本格的な4WDシステムと豪華なインテリアを備えるということでもある。また、コマンドポジションと呼ばれる視界に優れたパッケージングもしっかり受け継がれている。スターティングプライスは低く抑えられていたが、内装のバリエーションなども豊富でパーソナライズできたのもレンジローバーらしさだ。

走り 8点

 地形や路面状況に合わせて駆動力を引き出してくれるテレインレスポンスなど、本格的な悪路走破性は流石レンジローバー。軽量素材を各所に配置することで、オンロード性能も高い。今回の試乗車は9速ATを備えるため、高速道路のようなステージでも騒音が抑えられており、非常に快適性は高い。扱いやすく、乗りやすいところは万人向きでもある。

GooWORLD編集部

デビュー当時、クルマ好きだけでなく、ファッション系の業界人からもよく質問を受けたのが印象的だったイヴォーク。いま見てもスタイルの美しさは魅力的。

ポジショニング 10点

 レンジローバーと言えば「砂漠のロールス・ロイス」という有名なフレーズがあります。まさに高級SUVの代名詞で、顧客もセレブリティが名を連ねます。そんなイメージ抜群のブランドからスタイリッシュなデザインで登場したわけで、注目を集めないわけがありません。しかも、レンジローバーのなかでは価格もお手ごろ。中古車市場での人気も未だに高いです。

装備 10点

 必要なものはすべて備わっていますし、見た目と質感のよさにテンションが上がります。伝統的なインテリアの造形を現代的にアレンジしているあたりも、レンジローバーに乗っているという実感を高めてくれます。今回試乗したのはベーシックな「ピュア」でしたが、これでも十分プレミアムな雰囲気。当然、上級モデルならさらにリッチな雰囲気が楽しめます。

走り 9点

 かつてのレンジローバーは巨体と重さを感じさせる重厚な乗り味でしたが、イヴォークは普通の乗用車に近い感覚で運転できます。コーナーで怖い思いをすることもまったくありませんでした。エンジンは2ターボで、9速ATとの組み合わせで常に十分なパワーを提供してくれます。それでいて、雪道や泥濘路でのタフさは折り紙つきなのですから脱帽です。

レンジローバー イヴォーク DETAIL CHECK

ランドローバー レンジローバー イヴォーク

2014年 レンジローバー イヴォーク ピュア(9速AT)

全長×全幅×全高4355×1900×1635mm
ホイールベース2660mm
車両重量1790kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1998cc
最高出力240ps/5500rpm
最大トルク34.7kg m/1750rpm
サスペンション前後ストラット
ブレーキ前後ディスク

中古車参考価格帯

330万円~700万円(12年~17年 ※全グレード)

モデル主要変遷(ランドローバー レンジローバー イヴォーク)

2012.03ニューモデル
2013.11一部改良 ←今回の中古車
2014.08「ダイナミック」、「オートバイオグラフィ」を追加
2015.09マイナーチェンジ
2016.09一部改良

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

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グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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