車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.30 / 掲載日:2015.10.22

【気になる中古車試乗判定】フォルクスワーゲン ゴルフ(VI)

フォルクスワーゲン ゴルフ(VI)

2012年フォルクスワーゲン ゴルフ(VI)

GooWORLDの掲載物件のなかでも、とくに人気の高い中古車をモータージャーナリストとともに試乗チェック!注目モデルは本当にお買い得なのか!?リアルなレポートをお届けしたいと思います!

文●森野恭行、竹岡圭、GooWORLD 写真●GooWORLD

今月の中古車は フォルクスワーゲン ゴルフ(VI)

  • 運転のしやすさは快適性や安全性の基本

    フォルクスワーゲン ゴルフ(VI) コックピット

  • 運転のしやすさは快適性や安全性の基本

     デザインの新鮮味はないが、機能性とクオリティはいまも一級のレベル。視界のよさや、ドラポジ自由度の高さも見どころで、ファミリーカーのお手本となるコックピットになっている。上級モデルにはステアリングスイッチやパドルシフトを標準化するなど、装備レベルも満足のいくものだ。

  • ファミリーユースでも十分頼もしい広さと質感

    フォルクスワーゲン ゴルフ(VI) 内装

  • ファミリーユースでも十分頼もしい広さと質感

     大柄な男性4人が無理なくドライブを楽しめる室内空間を備える。ラゲッジ容量も350~1305Lと十分で、ファミリーカーの要件をきちんと満たす。撮影車は「マイスターエディション」のコンフォートラインのため、上質なタッチのアルカンターラ張りシートを標準で装備している。

  • どれも粒ぞろいのエンジンラインアップ

    フォルクスワーゲン ゴルフ(VI) エンジン

  • どれも粒ぞろいのエンジンラインアップ

     直噴ガソリン+過給機の「TSI」と「DSG」のコンビ。1.4L版は、コンフォートライン用が122馬力/20.4kg mを生むシングルチャージャー(ターボ)、ハイライン用が160馬力/24.5kg mを生むツインチャージャー(ターボ+機械式過給機)となる。トレンドラインは1.2L TSIを積む。

  • 効率性はいまでも高水準 グレードごとの個性も豊か

    フォルクスワーゲン ゴルフ(VI) タイヤ・シフトレバー

  • 効率性はいまでも高水準 グレードごとの個性も豊か

     デュアル・クラッチ・トランスミッションの流れをリードした「DSG」を搭載。1.4L&1.2L車には、乾式単板クラッチ+7速の高効率タイプを採用する。標準タイヤは、トレンドラインが15インチ、コンフォートラインが16インチ、ハイラインが17インチの設定。それぞれに味がある。

フォルクスワーゲン ゴルフ(VI) 試乗判定レビュー

自動車ジャーナリスト(森野 恭行・竹岡 圭)

中古車としてもっとも熟れ(売れ)頃のゴルフ

編集部●おかげさまで、先月号の当コーナー(先代ポルシェボクスター)は好評で、中古車の実力を気になされてる読者の方が多いことがわかりました。ありがとうございます!

森野●それはよかった。でも、企画のハードルはやはり高いよね。

竹岡●基本的に中古車の世界は一物一価ですからね。なるべく参考になるように、私たちもわかりやすいレポートを心がけましょう!

編集部●というわけで、今月は数ある中古車の中でも売れ筋のフォルクスワーゲンゴルフをご用意しました。先代VI型の2012年「TSIコンフォートライン・マイスターエディション」。個人所有車で走行距離は7000kmを超えたところです。

森野●現行VII型の評判がいいから影に隠れがちだけど、Vの熟成進化版といえるVI型は、いま振り返っても完成度の高さがわかる。また絶妙なモデルを持ってきたね(笑)。

竹岡●VI型は販売期間も約4年と、歴代ゴルフのなかでは比較的短かったんですよね。

編集部●VII型のデビューから2年経ちましたから、VI型の価格はだいぶお得感が得られるゾーンに落ち着いてきました。

竹岡●ゴルフはその誕生から常に世界のベンチマーク。ハッチバックとしてはもちろん、セグメントの枠を超えて他メーカーに影響を与え続けているわけだから、まさに大物よね。

森野●VWの「ダウンサイジング+過給器」であるTSI戦略は、日本では2005年のV型のゴルフから始まったわけだけど、このVI型でかなり熟した感があるよね。ツインクラッチであるDSGとのマッチングも含めて。VII型はプラットフォームから刷新されていて進化の最中だし、そもそもまだ高いから、このVI型は中古車ハンティング的に中身と価格のバランスに優れているわけだ。

編集部●この試乗車は、コンフォートラインのマイスターエディションです。ハイパフォーマンスなGTI、ゴルフRをのぞくと、ゴルフは以下の3モデルにわかれます。トレンドライン=1.2L・105馬力/コンフォートライン=1.4L・122馬力/ハイライン=1.4L・160馬力。では乗ってみましょう!

竹岡●ウ~ン乗りやすい(笑)。私なりに美点をまとめると、「抜群の見切りのよさと取りまわし性」、「カチッとしっかり感のあるボディと剛性感の高さ」、「意外と瞬発力のある動力性能」ですね。やはり優等生ぶりは、先代モデルとなっても健在といったところでしょうか。3年落ちとはいえ、走行距離が少ないですから、内外装のヤレも見受けられませんでした。

編集部●ちなみにオーナーさんは、先ごろ認定中古車として、このクルマを購入されたそうです。200万円弱とのこと。

森野●クルマがとてもキレイだから、3年の歳月は感じさせないね。タイヤは新車装着のミシュランエナジーセイバーと・・・。この距離だから、しばらくこのタイヤは現役でいくのかな。今回はクルマの程度がすこぶるいいから、個体のコメントは重箱の隅をつつくような感じになるな。

編集部●ゴルフは中古車も豊富ですし、いざ買うとなると、年式とグレードが重要ですよね。

年式とグレードは妥協なく選びたい

自動車ジャーナリスト(森野 恭行・竹岡 圭)

森野●VI型は2009年4月のデビューだから、初期型でもまだ6年落ち。今後も中古車市場でもしばらく主流でしょう。

編集部●本誌のサイトで見ると、VI型とV型の中古車は500台弱が見つかりますから、まさにボリュームゾーンといえます。これがIVになると、いきなり半分以下に減少します。

森野●今回試乗して改めて思ったけど、VI型は、個人的にこの1.4Lシングルターボエンジンを搭載したコンフォートラインがもっともしっくりくるかな。16インチタイヤとのバランスもいいしね。

竹岡●私はグレード云々はとくにないかな。1.2Lシングルターボのトレンドラインも十分元気に走るし、ハイラインの17インチがしっかり路面を掴む感じも好き。むしろ気になるのは、後年モデルのほうがDSGの洗練度が増しているという点。クラッチのつながり方や変速ショックが少ないほうが、乗っていて気持ちがいいですからね。

編集部●GTIやゴルフRなど、ハイパフォーマンスなゴルフもありますけど、これはまた別立てで行いましょう。

森野●まあゴルフはど真ん中なモデルだからね。ライバル車より若干高い場合もあるけど、友人知人に薦めやすいクルマなことは間違いないよ。

竹岡●あとスルメのようなクルマって言い方もできない?長く乗っても飽きないのは、基本がよくできたクルマにしかできない芸当(笑)。

編集部●上手くまとめていただき、ありがとうございます。

ゴルフ(VI)レビュー評価

フォルクスワーゲン ゴルフ(VI)

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるフォルクスワーゲン ゴルフ(VI)評価をまとめます。
※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 森野 恭行のコメント

自動車ジャーナリスト 森野 恭行

今も昔も、輸入車の入門モデルとして最適なのがゴルフ。ドイツ車らしい造りのよさやしっかり感のある走りが魅力だ。ゴルフVIのバリュー度はとくに高い。

自動車ジャーナリスト 森野 恭行
●関東版創刊時より健筆をふるう自動車ジャーナリスト。スポーツカーに目がなく、タイプ964のポルシェ911を新車から23年所有している。

ポジショニング 9点

 Cセグメントのど真ん中に鎮座するのがゴルフ。5代目でボディをひとまわり拡大したが、それでも大きすぎる印象はなく、日常使いにも適したサイズを守る。ちなみに、5代目から6代目の世代交代はいわゆる「ビッグマイナー」で、基本骨格やメカの多くを継承している。各部の熟成を図り、新技術を投入することで魅力を高めたのがゴルフVIなのだ。

装備 8点

 日常の足、家族のクルマとしての装備は、トレンドラインでも十分整っている。ひと世代前のCセグ車としては質感も高い。快適装備が盛りだくさんなのは上級のハイラインだが、中間グレードのコンフォートラインでも装備は充実している。とくに、モデル後期に投入された「プレミアムエディション」、「マイスターエディション」は魅力ある内容を持つ。

走り 8点

 現在の基準に照らし合わせても、ゴルフVIの性能バランスは一級だ。街乗り中心なら、合理性を追求した1.2L TSIのトレンドラインが合うだろう。スポーティな走り味を好むひとには、160馬力の心臓を積み、17インチタイヤを履くハイラインをお薦めする。真ん中のコンフォートラインは、高いドライバビリティと快適な乗り心地を特色とする。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

VWユーザーに女性が多いのは、洗練されたシンプルさと、高い機能性が上手にまとまって運転もしやすいところ。本当に頼れるクルマだと思います。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 10点

 いつの時代もCセグメントのベンチマークはVWゴルフですから、もうハズしようがないんです。とくにゴルフV以降は、質感もググッと上がり、経年変化によるマイナートラブルも少ないようですから、中古車市場での購入も安心感が高まりましたよね。っていうか、コストパフォーマンスで言ったら、こんなにお得なクルマ他にないでしょ?

装備 9点

「どのVWから乗り換えても、パッと操れる」というのが、VWのモットーですから、装備内容の差はあっても、基本的にベーシック。豪華絢爛さはない代わりに、いい意味で古さを感じようがないのも、この場合は逆に高ポイントと言っていいでしょうね。作り込みもしっかりしてますから、たとえベースグレードでも安っぽくならないのが魅力です。

走り 10点

 カッチリしたボディにしっかりした足まわり。基本ってこうだよね!というのを改めて教えてくれます。ゴルフVIは基本的に7速DSGが採用され、より燃費と乗り味が優しくなりましたよね。初期モデルに聞いたトラブルの声や、発進時のガタツキや変速ショックも、年次を追うごとになくなったので、できれば高年式車をオススメします。

GooWORLD編集部

本誌サイトでの物件掲載台数は500台弱と非常に豊富。2009年~2013年(6年落ち~2年落ち)と、まさに中古車の旬を迎えている1台でしょう。

ポジショニング 10点

「現行VII型にはちょっと手が届かないけれど、できるだけ高品質なゴルフがほしい・・・」そんな要望にVI型はぴったり。年式からディーラー認定中古車も多く、まさしく広く見比べて探すことができます。老若男女問わずお薦めできる走りやすさと機能性に加え、なにより買いやすい価格なのがうれしいところ。中古車選びでも、ゴルフは王道といえるでしょう。

装備 9点

 安全装備などは現行VII型にかないませんが、必要快適装備はすべて装着されています。その意味では基本的に「買いっぱなし」でOK。ナビ装着率も高く、あとはドライブレコーダーなどをどうするか検討するくらいしか、追加装備の必要性を感じない内容です。編集部としては、タイヤなどの安全にも関わる消耗品は、しっかり交換して乗り出すことをお薦め。

走り 9点

 試乗した「マイスターエディション」はコンフォートラインのため、パワーも十分で高速でのクルージングも余裕。今回はスタンダードモデルということで記事内をまとめていますが、ほかにもラインアップにはGTI(2L直噴ターボ・211馬力)とゴルフR(2L直噴ターボ・256馬力・4WD)、ステーションワゴンのヴァリアント、カブリオレが存在している。

フォルクスワーゲン ゴルフ(VI) DETAIL CHECK

フォルクスワーゲン ゴルフ(VI)

2012年式 フォルクスワーゲン ゴルフ TSIコンフォートライン マイスターエディション(7速AT・DSG)

全長×全幅×全高4210×1790×1485mm
ホイールベース2575mm
車両重量1270kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1389cc
最高出力122ps/5000rpm
最大トルク20.4kg m/1500-4000rpm
サスペンション前/後ストラット/4リンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク

中古車参考価格帯

80万円~190万円(2009年~2013年 GTI、Rをのぞく)

モデル主要変遷

2009.04ゴルフVIを発売開始
2009.09「GTI」を追加
2009.11ゴルフヴァリアントを発売
2010.02一部グレードがエコカー減税対応
2010.03「R」を追加
2010.04「TSIトレンドライン」を追加
2010.07ゴルフ GTIを一部改良
2010.09エコカー減税対象車を拡大
2011.08「プレミアムエディション」を設定
2011.10ゴルフカブリオレを発売
2012.01「TSIトレンドライン ブルーモーションテクノロジー」を設定
2012.03ヴァリアント「TSIトレンドライン ブルーモーションテクノロジー」を設定
2012.08「マイスターエディション」を設定 ←今回の認定中古車
2013.03ゴルフカブリオレを一部改良

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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