新車試乗レポート
更新日:2014.12.04 / 掲載日:2011.06.16
フィアット 500 ツインエア 試乗レポート
究極のダウンサイズによる新境地を味わおう
アルファMITOやアバルト・プントEVOに採用されるマルチエアの革新性は、輸入車ファンならすでにご存じのことと思う。吸気バルブのリフト量と開閉時期を、油圧式動弁機構により自在に可変制御する方式は、ガソリンエンジンの可能性を大きく広げるものだ。で、そのマルチエアの技術と、大人気のフィアット500(チンクエチェント)が合体して誕生したのが500ツインエア。
ツインは2気筒を意味し、気筒数や排気量の削減により大胆なダウンサイジング化を実践した点にも注目が集まる。ターボ+インタークーラー付きとはいえ、総排気量875ccの2気筒ユニットの搭載は、「ガツン!」とくるインパクトを持つ。
では、乗り味は? エンジンをかけると伝わるのは、「トットットットッ」というのどかな排気音とやや大きめの振動。そして走り出し、速度を上げると回転はスムーズになり、サウンドはビートを速めていく。そこで思い出したのは、2気筒だった80年代の軽自動車。最新技術なのに懐かしさを感じるというのは、じつに興味深いところだ。
なら、肝心の性能は? 1.4・16Vをトルクで凌駕する85馬力/14.8kgmを発揮するノーマルモードでは、十分力強い走りを提供してくれる。それでいて、77馬力/10.2kgmに性能をセーブするECOモードでは、1.2・8V以上に優れた燃費を記録するのだから、ツインエアの能力は多彩だ。
でも、デュアロジックやスタート&ストップ機構とのマッチングはもうひとつの印象。とくにECOモードだとトルクの谷にはまる場面があり、ときに走りがギクシャクする。そんな際は、ノーマルモードにして、マニュアルシフトを活用すればいい。
回転を引っ張り気味にすると、走りは俄然として生き生き!フィアット500らしいキビキビ軽快な走りが楽しめるから、ぜひ試してほしい。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合せ チャオフィアット TEL:0120-404-053
Detail Check
コックピット
コックピット
カラーコーディネートも見事に決まったレトロ調の内装は魅力的。ミッションは5速デュアロジックを採用し、インパネセンター左にエンジンや電動パワステとの統合制御を行うECOモードスイッチを配置している。
インテリア
インテリア
ハンドル上縁がやや遠く感じるドラポジ。チルトステアとシートハイト調整を備える。後席空間は身長160~170cmの標準体型の人には十分なもの。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
後席は分割可倒式で、ラゲッジ容量は185~550L。納得できる実用性を備える。
タイヤ
タイヤ
タイヤはラウンジが15インチ(500Cは16インチ)、ポップが14インチを履く。
エンジン
エンジン
革新のマルチエアを採用するヘッドを、新開発の2気筒875ccユニットとドッキング。ターボ過給により1.4Lレベルの性能を確保しつつ、エコ性能を飛躍的に高めた。
主要諸元:フィアット 500 ツインエア ラウンジ(5速AT・デュアロジック)
全長×全幅×全高 | 3545×1625×1515mm |
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ホイールベース | 2300mm |
トレッド前/後 | 1415/1410mm |
車両重量 | 1040kg |
エンジン | 直2マルチエアターボ |
総排気量 | 875cc |
最高出力 | 85ps/5500rpm |
最大トルク | 14.8kgm/1900rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム |
ブレーキ前/後 | ディスク/ドラム |
タイヤサイズ前後 | 185/55R15 |
全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2011年3月)
500 ツインエア ポップ(5速AT・デュアロジック) | 215万円 |
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500 ツインエア ラウンジ(5速AT・デュアロジック) | 245万円 |
500C ツインエア ラウンジ(5速AT・デュアロジック) | 279万円 |
Body Color
□ボサノバホワイト ■テックハウスグレー ■クロスオーバーブラック ■ラガマフィンレッド ■パソドブレレッド ■ブルーヴォラーレ □ファンクホワイト |