新車試乗レポート
更新日:2018.11.03 / 掲載日:2017.05.18

BMW 5シリーズ 試乗レポート(2017年05月)

BMW 5シリーズ

5シリーズがフルモデルチェンジを受けた。低燃費なガソリン、ディーゼル、PHVを設定し、高級セダンの新たなベンチマークになった。さらに走りの楽しさも、BMWらしさが光る。

ドライビングの楽しさが際立った新型5シリーズ

 7シリーズに続き、エグゼクティブセダンの王道5シリーズが7年ぶりにフルモデルチェンジを受けた。デビューから数えること7世代目。写真をご覧いただくとわかるように、“イマドキ”のBMWファミリー風に進化している。

 見た目はフロントマスク。3Dタイプのヘッドライトユニットとキドニーグリルがつながった。それにLEDが多用され、未来感を醸し出す。

 ただ全体のイメージはそう大きく変わらない。いわゆるキープコンセプトで、並べてみないと正直進化の度合いはわかりづらい。もちろん、その理由は「売れているのだから大きく変える意味はない」というところだが、マーケットの保守王道的なテイストも関係する。ドイツではカンパニーカー登録も多いことから、派手さを嫌う節もありそうだ。

 そんな5シリーズだが、新しさも多い。エンジンを中心としたパワートレーン、自動運転を鑑みた運転支援装備、iドライブに代表されるインターフェイスなど見るべきところは尽きない。しかも今回はプラグインハイブリッドも用意。試乗会には間に合わなかったが、近々2L直4ターボ+モーターの530eもお目見えすることになるだろう。

BMW 5シリーズ

 試乗車は523dと540iが用意されていた。前者が2L直4ターボディーゼルで後者が3L直6ターボのガソリン車となる。523dはポスト新長期規制をクリアしたユニットで、エコカー減税対象モデルとしての割引率がほかより高いことを付け加えておこう。環境に配慮したお財布にもやさしいモデルというわけだ。540iは言わずもがなのハイパワーモデル。しかも、RWDのほか4輪駆動のxドライブもある。セダン系の4WDが流行っているいま、そんなセレクトも悪くないかもしれない。

 それじゃ実際に走った印象だが、はじめに乗った523dは少し大人しく感じた。190馬力の最高出力と1750回転から40・8kgmという最大トルクを発生させるため街中での扱いは至極快適なのだが、高速道路ではもうひと伸び欲しいといったところだ。当然それでも追い越し加速に不満があるわけではないが、クルマの性格上ドーンと加速したいときに少々物足りなさがあった。

 それに比べ「これぞ5シリーズ!」とテンションを上げてくれるのは540iの方。数字以上の加速とカラダに感じるGフォースが期待を超えるパワフルさを感じさせてくれる。人によってこのクルマに求める性能は異なるが、個人的に欲しているのはそんな加速感だ。ボディ剛性から足まわりのセッティングまで素性がいいからこそ、その辺を求めたくなる。ステアリングの太いグリップの必要性もそんなところで感じた。

 また、軽量化されたボディワークも見逃せない。アルミ、マグネシウム、高張力鋼板を積極的に使い従来比で約80kgダイエットさせた。その恩恵はワインディングで顔を覗かせる。ステアリングの応答性や連続コーナーでの身のこなしはさらに磨きがかかった印象だ。

 といったところが試乗時に感じたことだが、このクルマの魅力はやはり長く乗れる点。オーセンティックなデザインに最新のテクノロジーが搭載されるのだから当分古臭くは思わないだろう。それよりも最先端の運転支援装備にただただ感心させられる。詳細は省くがBMWの先進性は侮れない。

 それと我々消費者にとってうれしいのは価格レンジが広いこと。617万円から1000万円超まであらゆるニーズに応えてくれる。

文●九島辰也 写真●澤田和久
問い合わせ BMWカスタマー・インタラクション・センター TEL:0120-269-437

Detail Check

BMW 5シリーズ

横から見るとFRパッケージングでボンネットが長いのがよくわかる。走りを強調したフォルムだ。ホイールベース2975mmは余裕の空間を生む。

BMW 5シリーズ(コックピット1)

  • コックピット

    BMW 5シリーズ(コックピット2)

  • コックピット

    エクステリア同様オーセンティックなデザインを持つコクピット。ドライバーオリエンテッドなのは言わずもがな。ビジネスセダンながらスポーティさも併せ持つ。

  • インテリア

    BMW 5シリーズ(インテリア)

  • インテリア

    搭載するエンジンにもよるが、スタンダード、ラグジュアリー、Mスポーツで装備は異なる。最上級にインディビジュアルも設定。

  • エンジン

    BMW 5シリーズ(エンジン)

  • エンジン

    パワーソースはガソリン3種類、ディーゼル1種類、ガソリン+モーターのハイブリッド1種類というラインアップで構成。

  • トランク

    BMW 5シリーズ(トランク)

  • トランク

    リヤのバルクヘッドはリヤシートを倒すことでトランクスルーになる。実用性の高さでも引けを取らないのはさすが!

  • 装備

    BMW 5シリーズ(装備)

  • 装備

    運転支援装備のカメラはここ。このほかにリヤビューカメラ、ナイトビジョン用赤外線カメラなど、先進技術がてんこ盛り。

  • 外装

    BMW 5シリーズ(外装)

  • 外装

    フロントフェンダー後部にはデザイン的なアクセントが備わる。先にリリースされた新型7シリーズから引き継いだものだ。

主要諸元:BMW 523d ラグジュアリー(8速AT)

全長×全幅×全高4945×1870×1480mm
ホイールベース2975mm
トレッド前/後1600/1625mm
車両重量1700kg
エンジン直4DOHCディーゼルターボ
総排気量1995cc
最高出力190ps/4000rpm
最大トルク40.8kg m/1750-2500rpm
サスペンション前/後ダブルウィッシュボーン/インテグラルリンク
ブレーキ前後Vディスク
タイヤサイズ前後245/45R18

全国メーカー希望小売価格(発売 2017年1月)

523i(8速AT)617万円~763万円
523d(8速AT)698万円~768万円
530i(8速AT)764万円~789万円
530e iパフォーマンス(8速AT)778万円~803万円
540i(8速AT)972万円~986万円
540i xドライブ(8速AT)1003万円~1017万円

Body Color

 ブラックII カシミヤ・シルバー □アルピン・ホワイトIII
 グレイシャー・シルバー メディテラニアン・ブルー ジャトバ
※ほか16色。

フルに使い倒すことでカーライフはさらに快適に

  • フルに使い倒すことでカーライフはさらに快適に

  •  ダッシュパネル中央には10.2インチワイドコントロールディスプレイが備わる。タッチスクリーン式なのでiドライブのコントローラー以外でも直感的に操作可能。BMWは走行中はiドライブ、停車中はタッチスクリーンでの操作を推奨している。また、音声入力や一部操作はジェスチャーでもできる。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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