新車試乗レポート
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2017.07.20

フォルクスワーゲン ゴルフ 試乗レポート(2017年07月)

フォルクスワーゲン ゴルフ

VWの新商品戦略のトップバッターとなるゴルフのマイナーチェンジモデルが発表された。先進の運転支援システムを備え、安全装備を充実。走らせても熟成を感じさせる力の入った内容だ。

熟成を重ね磨き上げたパーフェクト・ゴルフ

 新型ゴルフに触れて驚いた。運転していて本当にストレスがなく、気持ちよく運転できるのだ。

 今回のマイナーチェンジでは、パワートレーンやシャシーの改良に関しては大きなアナウンスはない。それにも関わらず、何か変更があったのではないかと改めて尋ねてしまうくらい、走りが洗練されていたのだ。

 その感覚を別のもので例えるとすると、アップル社のiPhoneに似ているのかもしれない。モデルナンバーが変わるようなメジャーアップデートでは本体も含めて進化するが、「S」などの改良型では見た目には大きな変化がない。ところが、実際に使ってみると買い替えたくなる操作性の向上や機能の充実がなされていて、ほしくなってしまう。新型ゴルフから受けた印象は、まさにこの「S」的な進化に近いものだ。ゴルフVやVIのオーナーだけでなく、現行の初期型から乗り替えてもいいクルマだと感じられるはずだ。

 乗り味といったフィーリング面での洗練と熟成に驚かされた新型ゴルフだが、先進技術を一挙に採用したことで、快適性や安全性についても大きな進化を遂げている。

 2016年5月の改良で自動ブレーキ機能が追加されたことは記憶に新しいが、今回のマイナーチェンジではさらに内容が掘り下げられ、自動運転技術につながる先進的な運転支援テクノロジーを採用した。とくに注目したいのが、車線を認識し、同一車線での走行をキープする「レーンキープアシストシステム」(起動速度65km/h以上、作動速度60km/h以上)だ。これを全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール「ACC」や渋滞時追従支援システム「トラフィックアシスト」と組み合わせることで、アクセル、ブレーキ、ステアリングといった運転操作を制御、ドライバーにかかる負担を軽減してくれる。これらは、コンフォートラインとハイラインに標準装備されるほか、ベーシックなトレンドラインでも「セーフティパッケージ」として選択可能。

フォルクスワーゲン ゴルフ

 さらに、安全装備の充実ぶりについても説明しておきたい。新型ゴルフは、VWの総合安全コンセプト「フォルクスワーゲン・オールインセーフティ」に基づき安全対策を強化しているが、とくに予防安全、つまり事故を起こさないための機能を充実させている。先ほど紹介した運転支援システムの採用に加え、プリクラッシュブレーキシステムの「フロントアシスト」に歩行者検知機能を追加し、全車に標準装備。さらに合計9つにおよぶエアバッグなど衝突安全に関わる装備は、全グレードで統一されている。これは、エントリーグレードであるトレンドラインの価格が249万9000円であることを考えると立派だ。

 また、インフォテイメントシステムも最新世代の「MIB」へと進化。ディスプレイが大型化され、スマホとの連携も専用アプリを開発するなどして強化された。純正ナビシステムである「ディスカバープロ」はすべての操作をタッチにて行えるようになったことに加え、VW車として初めてジェスチャーコントロールにも対応。短時間の試乗ですべての機能を試すことはできなかったが、ブラインドで操作できることは安全運転にもつながるだろう。

 最後に見た目の進化についてお伝えすると、バンパーとライト類が変更されたことで新鮮味と精緻な印象が与えられた。とくにLEDを使うライトは非常に魅力的だ。

 実物を見て、触れると確実に魅力が伝わる新型ゴルフは、VWの底力を改めて感じさせる力作だった。

文と写真●GooWORLD
問い合わせ フォルクスワーゲン カスタマーセンター TEL:0120-993-199

Detail Check

フォルクスワーゲン ゴルフ

灯火類とバンパーデザインを改良したことで、より先進的かつワイドな印象を与えるエクステリアとなった。

  • コックピット

    フォルクスワーゲン ゴルフ(コックピット)

  • コックピット

    室内の大きな改良はコックピットまわり。液晶モニターにナビや計器を表示するデジタルメータークラスターはTSIハイラインにオプション。純正ナビ「ディスカバープロ」はジェスチャーコントロールに対応する。

  • インテリア

    フォルクスワーゲン ゴルフ(インテリア)

  • インテリア

    マイクロフリースシート仕立てのスポーツシートはTSIハイラインに標準装備。電動調整機能やレザーシートをオプションとして選択できるのもこのハイラインのみとなる。

  • 装備

    フォルクスワーゲン ゴルフ(装備)

  • 装備

    ステアリング制御機能による同一車線キープや歩行者検知機能付き自動ブレーキなど、先進的な安全装備を採用する。

  • エンジン

    フォルクスワーゲン ゴルフ(エンジン)

  • エンジン

    パワートレーンはキャリーオーバー。1.4L直噴4気筒ターボに7速DSGトランスミッションという高効率でスポーティなドライビングを楽しめる組み合わせ。

  • ラゲッジスペース

    フォルクスワーゲン ゴルフ(ラゲッジスペース)

  • ラゲッジスペース

    ラゲッジスペースは標準状態で380L。4対6でアレンジできる後席シートバックを倒すことで使い勝手はさらに広がる。また、長尺物にも対応するスキートンネルも用意されている。

主要諸元:フォルクスワーゲン ゴルフ TSIハイライン(7速AT・DSG)

全長×全幅×全高4265×1800×1480mm
ホイールベース2635mm
トレッド前/後1535/1510mm
車両重量1320kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1394cc
最高出力140ps/4500-6000rpm
最大トルク25.5kg m/1500-3500rpm
サスペンション前/後ストラット/4リンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク
タイヤサイズ前後225/45R17

全国メーカー希望小売価格(発売 2017年5月)

ゴルフ TSIトレンドライン(7速AT・DSG)249万9000円
ゴルフ TSIコンフォートライン(7速AT・DSG)279万9000円
ゴルフ TSIハイライン(7速AT・DSG)325万9000円
ゴルフ GTI(6速MT/6速AT・DSG)389万9000円/399万9000円
ゴルフ GTE(6速AT・DSG)469万円
ゴルフ R(6速MT/7速AT・DSG)549万9000円/559万9000円

Body Color

 トルネードレッド アトランティックブルーM
 □ピュアホワイト ディープブラックパールエフェクト

全5シリーズを一挙に改良 それぞれの個性を伸ばす内容に

  • 全5シリーズを一挙に改良 それぞれの個性を伸ばす内容に

  •  今回のマイナーチェンジでは、ハッチバックだけでなく、ヴァリアントやオールトラック、GTI、Rを含めた全5シリーズ、6モデル、12グレードが一斉に発表、発売された。先進装備や安全装備についてはハッチバックと同様に充実させつつ、さらにそれぞれの個性を伸ばす改良内容となっている。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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